Kalita Waveを代表としたフラットボトムで波型(ウェーブ)のフィルターを用いるドリッパー。
“夏休みの自由研究”と称して、これらに用いることができるフィルターをいくつか購入してみたのでその検証結果をこちらに備忘録として残しておきます。
目的
ハンドドリップにおけるコーヒー抽出の”レシピ”は大きく分けて以下の項目になるとされています。
- ドリッパー: どのドリッパーを使うか
- フィルター: どのフィルターを使うか
- 抽出比率(レシオ): コーヒー豆と水の比率
- 挽き目(メッシュ): 粉の細かさ
- 注湯回数: 何回に分けてお湯を注ぐか
- 注湯速度: お湯をどれくらいのスピードで注ぐか
- 水温: どれくらいの温度のお湯を注ぐか
- 水: 水道水を使うのか、浄水器を使うのか、どの銘柄のミネラルウォーターを使うのか、等
この内、フィルターを変えることで“抽出全体の速度”を調節することができるため、お湯を注いで落ちきるまでの速度を計測することで購入検討時の参考とすることを目的としています。
また、広く普及しているKalita Waveフィルターは”ペーパー臭”が強い傾向にあるという評価が多かったため、ペーパー単体とリンス後の匂いを個人の主観で評価することでペーパー臭の比較も実施しました。
対象
今回、コーヒー器具通販でメジャーなKurasuでいくつか購入したいものがあったため、Kurasuのオンラインサイトで購入可能なものを中心に、以下の6種類で検証を行いました。
- April Paper Filter (Kurasuにて購入)
- Fellow Stagg Paper Filters (Kurasuにて購入)
- Kalita Wave Filter (既購入)
- OREA Filter Paper WAVE (Kurasuにて購入)
- ORIGAMI Coffee Paper Filter Wave (Kurasuにて購入)
- Nana Coffee Roasters Competition Wave Filters (Leaves Coffee Roasters店頭にて購入)
項目
以下の項目・観点で検証を行っています。
- dry smell: 開封時点でのフィルターの匂い
- wet smell: リンスでお湯をかけた後のフィルターの匂い
- rinsed water smell: リンスしたお湯の匂い
- time (April): 以下のレシピで1回抽出した際の落ち切り時間(秒) ※1
- 豆: 通山珈琲 コロンビア Pink Bourbon Washed
- ドリッパー: April Plastic Dripper
- レシオ: 15g:240g(1:16)
- メッシュ: Lagom mini 大ドット18
- 30secおきに60g*4投
- time (Beandy): 以下のレシピで2回抽出した際の落ち切り平均時間(秒) ※2
- 豆: Leaves Coffee エチオピア Washed
- ドリッパー: Beandy Silk Dripper
- レシオ: 15g:240g(1:16)
- メッシュ: Lagom mini 大ドット18
- 30secおきに60g*4投
- price: 国内定価を基準とした1枚あたりの費用(単位: 日本円)
- サイズ展開がある場合、小さいサイズ(≒Kalita Wave 155相当)の価格で算出
味覚に関する項目は一切検証の対象外としています。これは1人で検証しているため主観的な要素が強くなってしまうことと、体調によって感じ方が大きく変動しうることから参考に値しないと判断したためです。
また、定量的な観測をするのであればTDS計を用いるべきですが、こちらも今回所有していなかったため計測を実施していません。あくまでペーパーの違いに寄る抽出時間への影響と匂いの傾向を掴むものとしてご活用ください。
※1: 十分な豆量を確保できなかったため1回の抽出時間となっています。
また、Competition Wave Filtersは検証開始後に追加購入したためAprilでの検証が行えていません。
※2: 同じ豆で複数回の平均値を取るため、1種類200gでサブスクリプションが届くLeaves Coffee Roastersの豆に変更しました。
これにより、追加購入したCompetition Wave Filters含め、全6種2回ずつの抽出を行いその平均値を取得しています。
また、検証開始後にBeandy Silk Dripperを追加購入したため、ドリッパーの検証も兼ねて変更しています。
結果
dry smell | wet smell | rinsed water smell | time (April) | time (Beandy) | price | |
April Paper Filter | 極小 | 小 | 中〜小 | 140 | 152.5 | 34.1 |
Fellow Stagg Paper Filters | 中~小 | 中 | 中 | 200 | 205 | 36.6 |
Kalita Wave | 中 | 中 | 中 | 170 | 185 | 9.46 |
OREA Filter Paper WAVE | 中 | 中 | 中 | 140 | 150 | 26.4 |
ORIGAMI Coffee Paper Filter Wave | 小 | 小 | 中〜小 | 170 | 162.5 | 9.9 |
Nana Coffee Roasters Competition Wave Filters | 中〜小 | 中 | 中 | – | 160 | 31 |
考察
- Aprilは公式で謳っている通りとにかく匂いが少なく、抽出時間もかなり短い
- Fellowは海外ブランドにしては珍しく、抽出時間が長めの傾向
- Kalita Waveの匂いが「中」だったが、これは100枚入りで購入・開封後数ヶ月経っており、時間経過と共に匂いが薄くなった可能性がある
- OREAは想像以上に強い匂いだったが、開封後時間経過と共に薄くなる可能性もある
- ORIGAMIの抽出時間はKalita Waveに近い数値だったため、Kalita Waveの匂いが気になるという人は差額の小さいORIGAMIで代用するのも選択肢となるか
- Nanaは抜けが早すぎるわけではなくコントロールしやすい印象、ただし比較項目の範疇ではあまり目立った特徴がない
まとめ
限られた検証項目・回数のためあくまで参考ではありますが、Kalita Waveの”ペーパー臭”に課題を感じている場合、コスト面も考慮した上でまず試してみるのはORIGAMIが良さそう、という結果になりました。
また、抽出速度に変化を持たせたい場合、速くするならAprilかOREA、遅くするならFellowという結果となっています。
器具の検証、真面目にやろうとすると同じ豆を相当量確保しないといけないし、できれば複数人で抽出することで個々人の癖の影響を減らしたいし、複数人で味覚による比較もしたいし、TDSで定量比較もしたいし……と個人でやるには限度があると改めて感じました。
というわけでウェーブフィルターの比較検証でした。
正直なところ、フィルターは余っているので気になるものがあればお譲りすることもできますのでお声がけくださいませ。