Project: ドリームバイクを作る Part2

Project: ドリームバイクを作る Part2

2022/05/13

「いつかはオーダーフレーム」という憧れを実現させていくシリーズ第2弾。
今回はパーツ選定とカラーリングについてお付き合いください。

第1弾ではフレームのオーダーを決めましたが、もちろんフレームだけでは走り出すことはできず、ペイントを施してパーツを組み付けることでようやく走れるようになります。
所謂「最後のリムブレーキバイク」になるであろう1台、パーツにもビジュアルにもこだわりを詰め込んでみました。

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コンセプトに立ち返る

第1弾で
グランドツアラー的「クルマとして純粋かつ美しいフォルムを持つクーペ」の様なロードバイク
というコンセプトを設定しました。

「クルマとして純粋かつ美しいフォルムを持つクーペ」と聞いて思いついたのはAston Martin DB7とJaguar XKという2台のクルマ。

どちらも英国車、そしてイアン・カラムというデザイナーのデザインなのですが、スポーツカーに由縁があるメーカーのラグジュアリーなグランドツアラーであり、求めているクーペのイメージに近いな、ということになりました。

このコンセプトを元にパーツ選定の方針とペイントの方向性を考えていくことにします。

グループセット選定

グループセット、コンポーネントとも呼ばれるシフトレバー/ディレイラー/クランクセット/スプロケット/ブレーキキャリパーといったパーツ群はSHIMANO・Campagnolo・SRAMの大手3社が市場の大半を占めており、多くのユーザーはここからパーツを選択していきます。

  • SHIMANO: 信頼性とコストパフォーマンスが抜群
    • UCIレースでのDi2の採用率の高さからも、レースをするならまずSHIMANO
    • 近年高価格化の傾向もあるが、他社トップグレードと比較して安価かつ高信頼でコストパフォーマンスが高い(印象)
  • Campagnolo: 伝統と官能性
    • クイックリリースの発明に代表されるようにロードバイクの伝統を形作ってきたメーカー
    • イタリアンデザインならではの魅力から、やや高価格であるものの日本国内でも根強い人気
  • SRAM: 革新的な最後発
    • 3社の中では最後発、SHIMANO互換から始まったものの、独特の操作性と軽量さから人気に
    • 原罪は無線電動コンポーネントであるeTap/eTap AXSで市場をリード

各社は上記のようなブランドイメージを持っているのですが、この中で
グランドツアラー的「クルマとして純粋かつ美しいフォルムを持つクーペ」の様なロードバイク
に合致するのはCampagnoloしかない、ということでCampagnoloのパーツを集めることにしました。

ただCampagnoloといってもグレードや世代があり、ここも好みが分かれるポイント。
スチールバイクにCampagnolo、と聞くと多くの方はColnagoやCinelli、De Rosaといったの細身のイタリアンフレームに、シルバーのクラシカルなグループセットを組み込むことを想像されるかと思いますが、今回のオーダーフレームはカーボンフォークと大径チューブで構成されるモダンなスチールバイク

では最新のグループセットなら似合うのかとなるとこれまた悩みどころで、現行4本アームクランクは最新のカーボンバイクには似合うものの、スチールフレームには少しマッシブすぎる。

となると5本アームのカーボンクランクだろう、ということでeBayをdigっていると使用感の少ないChorus一式がそこそこの価格で出品されているのを発見。
日本には発送できないと表示があったものの、セラーにコンタクトを取ると「返品できなくても良いなら送るよ」とのことで即購入。

ドリームバイクならRecordやSuper Recordという選択肢も考えられましたが、あくまで実用品としての最高峰でありたいので、信頼性・耐久性を重視しつつ、コンディションを優先してChorusを選択しました。

カラーリング

DB7やXKといった英国車モチーフならブリティッシュレーシンググリーンが鉄板です。
が、ちょうどEquilibriumさんでドンピシャそのカラーのオーナーが既にいらっしゃいました。

ブリティッシュレーシンググリーンならロゴはゴールドだよな、と思っていたので配色もほぼ丸被り。
同じビルダーさんのフレームで流石にそれはオリジナリティに欠けてしまうので、同じグリーン系統で良さそうな色を探してみることに。

結果、”Aston Martin Green”で検索して出てきた少しティール(teal、鴨の羽色)がかったグリーンが理想に近い、ということで「これと同じ色にしてください」とオーダー。

ロゴは明るめのシルバーでステムもマッチペイント、他に塗り分けは指定せず単色仕上げで、というシンプルなデザインでお願いをしました。


というわけでグループセットとカラーリングが決まりました。

次回、フレーム・ペイント完成編をお楽しみに。