Watch Story: Tudor Black Bay 58

Watch Story: Tudor Black Bay 58

2023/12/18

さて、またもや前回の更新からまた時間が空いてしまいましたが、今回は2本目に手に入れた時計のチューダー ブラックベイ 58の話をしていきたいと思います。

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“スキンダイバー”が欲しい

多くの人が一度は”ダイバーズウォッチ”に憧れたことがあるのではないでしょうか。

クロノグラフやその他のコンプリケーションと異なりシンプルな文字盤デザイン、ダイビングで使えるなら日常でも間違いなく安心できる防水性能、アクション映画のヒーローが着けていたり……ダイバーズウォッチには「頼れる相棒」や「タフなツール」というイメージがあり、多くの人が時計の購入を検討する時にも候補に上がっているかと思います。

かくいう僕もダイバーズウォッチに憧れがあったものの、現代のダイバーズウォッチは如何せん大きい。
技術的な観点では、高い防水性や頑丈さを担保するには大きなケースが必要ですし、海中での視認性を追求するなら文字盤は大きい方が妥当でしょう。
着用の観点ではダイビングスーツの上から着用するのでより大きなサイズでも問題がなく、またデカ厚ブームの影響もあり大きな時計を着用することも市場で受け入れられているのではないでしょうか。

ただ、約14.5cmほどの細腕の僕にはそうしたダイバーズウォッチはトゥーマッチで、借り物の時計をしているような違和感が拭えないのも事実。
そこで着目したのがダイバーズウォッチの中でも“スキンダイバー”と呼ばれるジャンル。厳密な定義は不明ですが、ダイバーズウォッチが出始めた1960年代の「ダイビングスーツなしでダイビングしていた頃の時計」を再現しており、40mm以下くらいの比較的コンパクトなケースサイズのものをスキンダイバーと呼んでいる、と理解しています。

スキンダイバーならもしかしたら似合うものがあるかもしれない、そう思いネットの海に旅立つこととなったのです。

ブラックベイ58への期待

ネットで情報収集、とは言っても当初から本命はブラックベイ58、と内心決まっていました。
というのも、ダイバーズウォッチを探し始めた2021年当時、以下のような要件を満たせる時計はほとんど選択肢がなかったのです。

  • 現行品
    • ヴィンテージは扱いに不安があるし、何より防水性を求めて買うものではない
  • 50万円以下
  • 機械式
  • ケース径39mm以下
    • SGBA211が41mmなので、それよりコンパクトにしたい
  • ノンデイト
    • 2本目の時計なので日付表示は不要、無い方が日付調整が不要で却って便利なはず

大手ブランドで見てみると、セイコー プロスペックス SBDC101は40mmでケースサイズが少し大きいのとデイト有りなところが不一致、タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300はケースサイズは良いもののデイト有りなところと文字盤デザインが今ひとつしっくり来ず、というところ。

小規模/独立系ブランドまで範囲を広げてみても、バルチック アクアスカーフが条件をすべて満たしているものの入手性やブランドイメージも鑑みると今ひとつ決め手に欠ける、といったところ。

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ロレックスのディフュージョンラインというブランド出自やスペック(ケニッシ製ムーブメント)、ヴィンテージモデルのヒストリー等を鑑みるとブラックベイに比肩するものはなく、下記のような記事を見てブラックベイへの想いを募らせていくのでした。

(思いの外早かった)ブティックでの出会い

ただ、2022年当時はまだ高級時計のトレンド真っ最中。王冠を戴くブランド(=ロレックス)の兄弟ブランドであるチューダーも人気が高く、ブラックベイ58については正規取扱店では滅多に見かけることがないモデルでした。

2〜3回覗いてみて「これは当分買えそうにないな」と思っていたのですが、某戦闘機パイロット映画の続編を観たある日、ふらっとブティックに立ち寄って「ブラックベイ58を探しているんですが」と伝えてみると「ネイビーブルーのファブリックストラップモデルでしたらご案内できます」とのこと。

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購入当日、多分近くの商業施設の中庭にて

カラーは人気のブラックよりはフランス海軍(Marine Nationale)のヒストリーがあるネイビーブルーが”らしい”かと思っていましたし、元々評判の良いファブリックストラップが気になっていたのでこれはちょうどいい、ということで購入に至ったのでした。

着用してみてわかったこと

サイズ感は理想的、SBGA211に比べるとかなりコンパクトですし、柔軟かつ適度なしっかり感のあるファブリックストラップのお陰で装着感も良好です(予想通り)。

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こういうシャツ1枚のコーディネートにはちょうどよい

ひとつ想定できていなかったのがコーディネートの難しさ。

ネイビーブルーの爽やかなカラーリングとダイバーズウォッチのスポーティーなデザインから、白Tシャツやサックスブルーのシャツといった夏場のカジュアルな装いや、スウェットを使った春や秋のカジュアルなコーディネートにはスッと収まるのですが、ジャケットとの合わせがどうもしっくりと来ない。

これにはいくつかの要素があるのではないか、と分析しています。

  • サイズ感
    • 39mmにダウンサイジングしたつもりが、やはりもう一回り小さい方がクラシックな装いにはベストなのではないか
    • (BB58購入後違う時計も手に入れたことで)36mm前後の方が手首の上でより収まり良く、スポーツウォッチであったとしても36mm前後のサイズ感が望ましいのではないか
  • カラーリング
    • ネイビーブルーの色味は美しいものの、もう少し暗いネイビーの方が使いやすいのではないか
  • 細やかな仕上げ
    • ベゼルや文字盤、細やかなディテールのひとつひとつが実用重視でツールウォッチ然としており、上手くロレックスのサブマリーナーと棲み分けをしている

気になる点が多いとはいえ、手持ちの機械式時計の中では一番防水性が高くカジュアルに使える時計であることに違いはないので、夏場のアクティビティにはぴったりでなんだかんだ手に取ってしまう、そんな一本に落ち着いています。

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というわけで今回はブラックベイ58のお話でした。

年内にもう1本くらいはブログ更新したいところですね。