放置しすぎたビスポークシューズを作る第3弾。今回は仮縫い編です。
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仮縫いとは
「仮縫いって何?」という方も多いかと思いますが、既製品やMTOではなく木型から作ってもらうビスポークシューズを作る過程において重要なプロセスのひとつで 採寸を元に一度職人さんが仮の靴を作りそのフィッティングを確認する というものです。
採寸を元に職人さんは木型を作りますが、足は3次元的な形状をしているのでいくつか代表的なポイントの数値は取れますが、石膏で型を取るわけではないですし、歩いたり姿勢が変われば形状も変わるのでいきなり完璧なフィッティングを取れるというのは稀。木型の精度を高めるために一度フィッティング確認のためだけの靴を作り、オーナーが履いてみて実際に足に合うかどうかを確認していきます。
基本的にフィッティング確認の一環でナイフを入れて中を開いてしまうので、仮縫いの靴は試し履きをするだけ。ビスポークならではの贅沢な体験かもしれません。
再びのTTBOへ
というわけで去る2024年7月某日、ちょっと革靴に興味がある友人を巻き込んで誘ってTHE TRUNK BY OBOIST(TTBO)へ行くことに。
前日に三重で鰻を食べたり時計を見たりして気分を高め、名古屋から三河安城まで小一時間のドライブを楽しみました。
振り返ってみると初回のトランクショーの際は名古屋の某高級ホテルでしたが、その後オボイストさんが自身のお店をオープンされたので、今後はTTBOへお伺いする機会が多くなりそうです。
フィッティングを確認
TTBOに到着すると早速仮縫い靴とご対面。
「まずは履いてみてしばらく歩き回ったりしてみてください」ということで履いた状態でオボイストさんやJunさんと近況をお話したり、友人を紹介してみたり。
日本人は比較的踵がコンパクトな傾向とのことですが、僕は全長に対して踵がさらにコンパクトということで、既製品だとなかなか満足のいくフィッティングが得られないことが多かったのですが、流石に実測値を元に作っていただいているだけあって踵が抜けそうな気配はなし。
20分ほど履いたところで「では、そろそろフィッティングを確認させてください」ということで履いた状態で手を当てて確認した後にナイフが入っていきました。
正直仮縫いの靴のクオリティも非常に高く、アウトソールが付いていればもうこのまま履けちゃうんじゃないか、という感じだったのでナイフが入っていく様子に息を呑むばかり。
手際よく足の左右差や靴と必要以上に接している箇所を確認いただき、気になる箇所が無いか等質問もいただいて仮縫いは終わり。
予期せぬ発見
ちなみにフィッティングを見ている間、同行してくれた友人とJunさんの話が盛り上がっているな、と思ったら何やらJunさんが履いてきているスニーカーがこだわりの逸品、Opie Wayのスニーカーでした。
友人はその場でデニムのハイカットが気になったらしく、僕も後日東京でJunさんの私物でサイズを試させてもらって購入しちゃいました。詳細は2024年8月のMonthly Updateをご覧くださいませ。
それにしても革靴の仮縫いをしに行ったはずなのにトランクショーとは直接関係のないスニーカーまで注文してしまった、TTBOは恐ろしい魔窟です。
というわけで仮縫い編をお届けしました。
次は春から夏頃に予定されている納品、完成が楽しみですね。